渋谷プロジェクトでは、その仕組みや運用上の留意事項等について、渋谷プロジェクトの参加店が全国万引犯罪防止機構をはじめとして、消費者団体、学者、弁護士等の皆様の意見を参考にして作成し、その内容は渋谷書店万引対策共同プロジェクト事務局のホームページで公表することとしております。

(丸善ジュンク堂渋谷店は2023年1月末に閉店いたしました)

渋谷プロジェクト基本情報

  1. 渋谷書店万引対策共同プロジェクト事務局とは

    渋谷プロジェクトに参加する渋谷区内の三書店(京王書籍販売株式会社啓文堂書店渋谷店、大盛堂商事株式会社書店部大盛堂書店、株式会社丸善ジュンク堂書店MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店)及び全国万引犯罪防止機構の関係者で構成され、渋谷プロジェクトの適切な運用を行います。
  2. 渋谷プロジェクトにおける個人情報取扱事業者の名称

    ・京王書籍販売株式会社啓文堂書店渋谷店
    ・大盛堂商事株式会社書店部大盛堂書店
    ・株式会社丸善ジュンク堂書店MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店(2023年1月末閉店)
  3. 保有個人データの利用目的

    参加店における万引き、盗撮、器物損壊、暴行・傷害、公然わいせつ(以下「万引き等」といいます)に当たる犯罪防止と参加店において万引き等の犯罪を行ったことが確実な者の来店を確認、警戒するため。
  4. 個人データの共同利用について

    「渋谷書店万引対策共同プロジェクト」に参加する下記の者は、個人情報の保護に関する法律第23条第5項第3号に基づき、個人データの共同利用を行います。
    1. 共同利用する個人データの項目
       参加店舗が保有する万引き等の犯罪事犯に関する被害及びそれら事犯を敢行した対象者に関する情報(実行日時、被害状況、対象者の特徴、関連する防犯カメラ画像、及び顔識別データ)。対象者の氏名は他の参加店舗には提供せず、事務局のみが保有します。
    2. 共同利用する者の範囲
       渋谷区内に所在し、以下の条件を満たす書店。
      「渋谷書店万引対策共同プロジェクトの開始にあたって」、及び「渋谷プロジェクトについて」の内容を遵守することを認めている書店であって、運営委員会で決議され参加が認められた書店。

      <参加店>
      ・京王書籍販売株式会社啓文堂書店渋谷店
      ・大盛堂商事株式会社書店部大盛堂書店
      ・株式会社丸善ジュンク堂書店MARUZEN&ジュンク堂書店渋谷店(2023年1月末閉店)
      ・渋谷書店万引対策共同プロジェクト事務局
    3. 利用する者の利用目的
       過去に万引等の犯罪を行ったことが確実な者に関する情報を参加店の顔識別システムに登録し、来店した人物を撮影した防犯カメラ映像とリアルタイムに照合することで当該人物の来店を確認・警戒し、万引等の犯罪を防止するため。※共同利用の取組とは独立して、参加店が独自に取得した防犯カメラの画像は、参加店における万引等の犯罪防止にも利用します。
  5. 個人データの管理について責任を有する者の名称

     参加店舗が保有する万引き等の犯罪事犯に関する被害及びそれら事犯を敢行した対象者に関する情報(実行日時、被害状況、対象者の特徴、関連する防犯カメラ画像、及び顔識別データ)。対象者の氏名は他の参加店舗には提供せず、事務局のみが保有します
  6. 共同利用する者の範囲

    渋谷書店万引対策共同プロジェクト事務局
    TEL:03-5280-6044
    受付時間:10:00~17:00(土日、祝日、年末年始を除く)
    所在地:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-2 書店会館4階
  7. 保有個人データの取扱いに関する苦情等の申出先

    渋谷書店万引対策共同プロジェクト事務局
    所在地:〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台1-2 書店会館4階

渋谷プロジェクトの仕組み

  1. このプロジェクトの仕組み
    そこで、まず、このプロジェクトの仕組みですが、このプロジェクトは
    ① 共同利用データ構築プロセス
    ② 共同利用データ利用プロセス
    ③ 共同利用データの消去等適切な保管プロセス
    によって構成されております。各プロセスの説明は、以下のとおりです。
    1. 共同利用データ構築プロセス
      プロジェクト開始後に万引き等の犯罪事犯を行ったことが確実な者に関する顔画像を含む被害・対象者情報を相互に提供して参加店間における共同利用データを構築するものです。
      共同利用データの対象となるのは店舗内の万引き等に当たる犯罪事犯であり、犯罪に至らない迷惑行為は含みません。犯罪の成否については、実務担当者のみで判断せず、かならず店舗責任者が最終的に対象事犯かどうかを判断し、慎重を期するためにプロジェクト事務局において、その画像の適否について助言するものとします。なお、対象者の氏名及び住所等は対象事案発生店舗とプロジェクト事務局のみが保有し、他の参加店舗とは共有しないこととします。
    2. 共同利用データ利用プロセス
      顔認証システムに接続されたカメラが来店した対象者の顔画像と共同利用データに保存されている顔画像を照合して、対象者である可能性がある者が来店したことを店舗内の実務担当者に知らせ、これを実務担当者が対象者であると確認した上で、実務担当者等が対象者に対する声かけ、その他の警戒を行うことによって、対象事犯の発生を防止しようというものです。
      この場合、対象者は、来店した時点では、万引きをしようとしているのか明確ではありませんので、いやしくも犯人扱いしたと受け止められるような対応が無いよう配慮いたします。
    3. 共同利用データの消去等適切な保管プロセス
      共同利用データの消去や保管に関する取り決めを定めたものです。
      ここでは、共同利用データの消去に関する規定を設け、プロジェクト事務局の助言を受けて、参加店が迅速な対応を取ること及び誤登録の際に迅速な消去を行うための手続きが規定されております。
  2. データの安全な管理
    参加店は、安全管理面の対応として、以下の規定を設けております。
    • 担当者の認証に用いるアカウントは、利用者1名につき1つを発行すること。
    • 顔認証システムを導入した専用端末は、社内の他のパソコンと同じLANには接続せず、OSやソフトウェアのアップデート、メールによる発報通知以外の用途でインターネットを利用しない。
    • 持ち運び可能な機器や媒体の扱いについて、クリアデスクを徹底すること。
    • 離席時にはクリアスクリーンを徹底すること。
    • バックアップを定期的に実施すること。
    • 上記のほか、漏えいなどセキュリティ・インシデント発生時の対応を規定し、問題発生時の被害を最小限に食い止めるための対策を講じております。
  3. 開示請求等に対する対応
  4. 基本的遵守事項
    • 個人情報保護法等の遵守
    • 目的外使用等の禁止と秘密保持
    • 情報の正確性の確保
    • 防犯画像等活用システムの適切な運用
    • 参加店等の一員としての自覚の保持
    • 運用関係者の研鑽
  5. 関係者に対する研修
    渋谷プロジェクトでは、個人情報やプライバシーの保護に万全を期するため、プロジェクト開始前に運用関係者の研修を行っておりますが、今後も、必要に応じ、運用上の改善点も踏まえて、適宜研修を行って参ります。
  6. プロジェクト運用検証委員会
    さらに、渋谷プロジェクトでは、運用の適正を期するため、外部の専門的知識を有する消費者団体、学者、弁護士等によって構成される、「プロジェクト運用検証委員会(以下、「検証委員会」という。)」を設置しております。渋谷プロジェクトでは、これまでに検証委員会を全5回開催し、そこで出されたご意見を踏まえ、このプロジェクトを開始いたしました。
    今後も、必要に応じて、適宜検証委員会を開催いたします。
  7. 書店の万引き被害の深刻さ
    以上の通りですが、万引きで大きな被害を受け続けてきた書店の方々の立場をご理解の上、このプロジェクトに対するご理解、ご協力をお願いいたします。
    なお、参考までに、書店における万引き被害の調査概要を以下に記します。

    ◎書店での万引き被害は年間約200億円 日本出版インフラセンター(JPO)が平成20年3月に発表した「書店万引き調査等結果概要」によれば、調査店643書店の平均ロス率は、1.91%で、当時の書店の経常利益率の平均0.6%程度を大きく上回る数値となっています。
    このロス率から当時の出版業界の売り上げをもって金額に換算すると261億円になります。さらにここから同調査で判明したロスの中に含まれる伝票記載ミスや商品ロス等の割合、約26%を差し引くと、万引きによる被害率は売り上げに対して1.41%となると報告されています。
    前述と同様に当時の売上金額と万引き被害率から、その被害金額は193億2千万円と考えられます。